小島基成の全てのチューニングをポジティブに

小島基成のブログ。

ピアニストな彼女

「ピアニストな彼女」


小島基成



彼女に
「ピアニストなのにブラインドタッチはできないんだ」 
と言うと
「その二つに何の因果関係があるのかしら」
って。
確かに
ピアニストがブラインドタッチを出来なくても全然かまわないし
ブラインドタッチのプロフェッショナルがピアノをうまく弾けるとは限らない。
勿論
中にはその両方に長じている人たちもいるのかも知れない。
けれど
それは
あくまで
〈ピアノが弾ける〉

〈ブラインドタッチが出来る〉

単一的な組み合わせでしかなく
そこには何の因果関係もないし
出来ようがない。
にも関わらずだ。
ぼくは華麗にピアノを弾いている彼女をみるとついつい
「あんな風に自由に指を使いこなすことが出来るのであれば、ブラインドタッチもお手の物なのだろうなぁ」
と思ってしまう。
けれど
当然そこにはなんの因果関係もなく
それを証明するように
ブラインドタッチをしている誰かをみても
「あぁあんなに自由に指を使いこなすことが出来るのであれば、さぞかしピアノも上手に弾くのだろうなぁ」
とは思わない。
つまりが
「ごめんよ。変なことを聞いてしまって」
という彼女への謝罪に繋がり
彼女もそれを聞いて
「いいわ。私の方こそごめんなさい。ピアニストなら、ブッラインドタッチぐらいは朝飯前で出来なくてはならなかったわ」

ぼくは彼女の目を見つめて

「この子はなんてやさしい子なんだ」

とぼぉっとなる。

彼女にもその熱意は伝わったのか

「あー愛おしいあなた。ピアニストとキーボーディストの区別もつかないのね」

っといじらしくなっている。

ぼくは幸せだったし
彼女もそうだった。

つまりが

二人は心底から二人のことを愛し合っていたし
求め合っていたし
確かめ合っていたし
恋とは大体においてそういう類いのものなのである。
  1. 2012/03/31(土) 20:50:02|
  2. | トラックバック:0
  3. | コメント:0
次のページ