小島基成の全てのチューニングをポジティブに

小島基成のブログ。

うたごえは海峡を越えて

「うたごえは海峡を越えて」


小島基成



水平線の向こう
坂の上から放り投げられたきみの言葉は
キラキラと舞って
きみの知らないぼくの町で
「晴れたらいいのにね」
っていう。
「そうだね」
ってぼくがいうと
ぼくの知らないきみの町で
ぼくの言葉がふらふらと漂う。
逢いたいなって思う。
逢えないなって思う。
好きだなって思ったら
少しだけ悲しくなって
最後のコードが鳴り終わる。

「今ぼくらの間にある関係性は約束されたものではないのかも知れないね」

海を見下ろす。
好きだなって思う。
好きなのになって思う。
携帯が震える。

「好きになるのに理由はいらないけれど、付き合っていくのには理由が必要で」

三度読み直して
文面からにじみ出てくる気を探って
そんなものはなにもないことに気付いて
いやでもあるのかも
けれど
ないのかも。
結局
10分も立たない内にメールを打っている自分がいる。

「多分、ぼくの好きときみの好きとはちょっとだけ方向性がずれているんだよ。けれどそれはお互いの努力でなんとでもなる問題だと思うんだけれど」

同じ文字をずぅっと見続けていると
馬鹿みたいな気持ちになってくる。
その文字にくっついている
普遍性や
バックボーンや
不純物みたいなものが
一式自分の中でグチャグチャに崩壊してしまって
それまで世界という文字にくっついていた
アメリカや
ヨーロッパや
第二次世界大戦や
フランス革命や
ボブマーリーや
ビートルズや
その他ありとあらゆる
論理や
概念や
思想や
宗教が
一緒に分離し
独立し
ただのピースになっていく。
ピース。
携帯が震える。

「恋愛は努力してまで続けるものではなくて」

彼女は一体何が言いたいのだろうか。
彼女は一体何を言いたいのだろうか。


hna [20分前]
 「なんだか付き合っていくのに疲れてきてしまって」
 イイネ! コメント
 イイネ!:やよい
 サリ [15分前]
 「なんでも相談のるよ」
 他のコメント(3)


携帯からログインしたミクシィをみながら
そういえば
まだ歯を磨いていなかったことに気付く。
空を見上げても
地面を見渡しても
どこにも居場所がないことに
びっくりする。
画面上には
ぼくらが抱えた問題だけが
濾過されることもなく
残されていて


sora[1分前]
「恋愛が努力してまで続けるものではないのではなく、ぼくときみとの関係が努力してまで続けるものではないだけじゃないのかな?」


逢うことも抱きしめることもないまま
別れ話だけが
音もなくプカプカと。
  1. 2011/06/27(月) 15:57:26|
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